食道がん

食道がん患者は光免疫療法を受けられるのか?

食道がんの患者さんが国内で光免疫療法を受けるためにはどうすればいいのでしょうか。治療の種類ごとに見ていきましょう。

光免疫療法(薬品名:リポソーム)を受けるには

光免疫療法は未承認のがん治療法です。しかし、日本国内には承認に先駆けて光免疫療法を受けることができる医療機関があります。食道がんへの効果も含め、そちらに相談してみることをおすすめします。

近赤外線免疫療法(薬品:IR700)を受けるには

現在のところ、日本国内で未承認である近赤外線免疫療法を受けるには、臨床試験に参加するしかありません。

具体的には2019年2月より国立がん研究センター東病院において、食道がんの患者さんを対象にした光免疫療法(この場合は近赤外線免疫療法)の医師主導による臨床試験が実施されているところです。

臨床試験の条件

すべての食道がんの患者さんが臨床試験を受けられるわけではありません。主な条件としては、

食道がんの光免疫療法に関する研究について

臨床試験という治療を兼ねた研究であれば、「近赤外線免疫療法(薬品:IR700)」の研究・開発が世界各国において急ピッチで進んでいます。食道がんに関しては、前述のとおり国立がん研究センター東病院において、まさに臨床試験が実施されている最中です。

開発の陣頭指揮を執る楽天メディカル社によると、現在進めている頭頸部がんと食道がんから、EGFR(がんの増殖に関与するタンパク質)を発現しているがんを中心に適応の拡大を目指すということです。

光免疫療法が受けられる病院について

近赤外線免疫療法は、1日も早い実用化に向けて臨床試験をはじめとした研究が進められているところです。現在、その臨床試験に参加すること以外に近赤外線免疫療法を受ける方法はありません。

光免疫療法は、承認に先駆けて一足早く受けることができる病院があります(2021年5月現在)。詳しくは以下のページをご覧ください。

そもそも食道がんとは

食道の粘膜に発生する悪性腫瘍が食道がんです。

がんがまだ粘膜の中にとどまっている状態なら早期食道がん、粘膜下層に及んだら表在食道がん、それ以上の深さになれば進行食道がんというように区別します。さらにがんが進行すると、食道の外側から気管や大動脈など周辺臓器に及んでいきます。食道壁内のリンパ管や血管にがんが及ぶと、リンパ液や血液の流れに乗って他の臓器へ転移することになります。

食道がんは大きく2つに分けられ、細胞の種類によって以下のように分類されます。

扁平上皮がん

日本人の食道がんの大部分はこの扁平上皮がんで、前述の臨床試験の対象になっているのも扁平上皮がんです。その名のとおり、食道の内側にある薄くて平らな扁平上皮細胞に発生するがんで、食道上部から中央部にかけて多く発生します。

飲酒と喫煙が主な原因・リスクになると考えられており、両方があればさらに危険性が高まるでしょう。

腺がん

食道の内側に存在している、粘液を産生する腺細胞に発生するのが腺がんです。多くは食道下部や胃の近くに発生します。

胃酸が食道に逆流する「逆流性食道炎」が原因になると考えられていますが、肥満や喫煙、欧米型の食生活も逆流性食道炎を引き起こすことから腺がんの危険因子とされています。

食道がんの症状

初期の食道がんの場合は自覚症状が現れない場合がほとんどで、人間ドックや検診などで見つかることが多いようです。

がんが進行して自覚症状が出る場合は、食べ物や飲み物がつかえたりしみたりする感じがする、体重が減る、声がかすれるといった症状が現れてきます。

食道がんのステージ(病期)分類

食道がんは進行の程度や身体の状態などから治療方法を検討しますが、その際には他のがんと同様にステージ(病期)として分類することが一般的となっています。ステージは0期からⅠ~Ⅳ期の5段階に分類されます。
ステージ分類は、日本食道学会による「食道癌取扱い規約」が用いられますが、海外では主にTNM分類が用いられています。
TNM分類はがんがどのくらい食道の壁の深さまで広がっているかを表すT因子、リンパ節への転移の程度を表すN因子、他臓器への転移の有無を表すM因子の組み合わせで決まります。

がんの広がり方、深さを示すT分類は日本も海外もほとんど同じですが、リンパ節への転移については日本なら転移の部位、海外なら転移の数を重要視するという傾向があります。

TNM分類は以下のとおりです。
T因子(がんの広がり方)

  • T1b:がんが粘膜内にとどまっている状態
  • T2:がんが固有筋層にとどまっている状態
  • T3:がんが食道外膜にまで広がっている状態
  • T4:がんが食道周囲の組織にまで広がっている状態

N因子(リンパ節への転移の程度)
リンパ節は、がんの位置に近い順に第1群から第4群に分けられています。

  • N0:リンパ節転移がない状態
  • N1:第1群リンパ節のみに転移がある状態
  • N2:第2群リンパ節まで転移がある状態
  • N3:第3群リンパ節まで転移がある状態
  • N4:第4群リンパ節まで転移がある状態

M因子(他臓器への転移=遠隔転移の有無)

  • M0:遠隔転移がない状態
  • M1:遠隔転移がある状態

このTMN分類をもとに、ステージ0期からⅣ期までの5段階に分けられます。

0期

いわゆる早期がん、初期がんと呼ばれる段階で、がんが食道粘膜にとどまっている状態を指します。

Ⅰ期

がんが粘膜にとどまっているものの、近くのリンパ節に転移がある状態をⅠ期とします。また、がんが粘膜下層まで浸潤していてもリンパ節や他の臓器、胸膜、腹膜への転移がなければ同じくⅠ期に分類されます。

Ⅱ期

がんが筋層や食道外壁にわずかに出ている状態がⅡ期です。少し離れたリンパ節への転移がある場合もⅡ期に分類されます。

Ⅲ期

明らかにがんが食道の外に進展している状態がⅢ期です。食道壁に沿っているリンパ節、もしくは少し離れたリンパ節にがんが認められるも、他の臓器や胸膜、腹膜には転移していなければ同じくⅢ期に分類されます。

Ⅳ期

がんが食道周囲の臓器に及んでいる状態がⅣ期です。遠く離れているリンパ節に転移している場合、または他の臓器や胸膜、腹膜に転移している場合もⅣ期とされます。

食道がんの治療方法

現在の国内における食道がんの治療は、標準治療といわれる手術療法、放射線療法、薬物療法(化学療法)が基本です。
進行の程度や身体の状態にもよりますが、まずは手術療法が第一選択となり、状況に応じて放射線療法や薬物療法を組み合わせて治療していくのが一般的といえるでしょう。

手術

手術は食道がんのもっとも標準的な治療とされます。

がん病変を含む食道を切除しますが、その際にはリンパ節や周辺の組織も一緒に切除します。

食道がんの手術は身体への負担が大きくなってしまいますが、現在では従来の手術方式と比較して身体的負担の少ない方法が普及しつつあります。

抗がん剤治療

がん細胞を縮小させたり死滅させたりする効果を持つ抗がん剤を投与して治療を行なう方法です。

抗がん剤は血液の流れによって全身に行きわたるため、手術では取り除くことができない部位や放射線を照射できない部位にあるがん細胞にも効果が期待できます。

抗がん剤治療の多くは、他の臓器にがんが転移している場合に延命を目的として行なわれますが、手術や放射線療法と併用することで根治を目指して行なわれることもあります。

放射線治療

X線など高エネルギーの放射線を照射して、がん細胞を縮小または死滅させる治療が放射線治療です。

手術と同様に局所を治療する方法ですが、放射線治療は臓器の機能や形態を温存できるのがメリットです。

放射線療法には大きく2つあります。ひとつは放射線を体外から照射する方法で、もうひとつは食道内に放射性物質を挿入して体内から照射する腔内照射という方法です。

免疫療法

人間が本来持っている免疫力を高めてがん細胞を攻撃させようとする治療が免疫療法です。

当サイトで紹介している光免疫療法も広義ではそのひとつで、食道がんに対する光免疫療法の考え方は上記のとおりです。

代表的な免疫療法には、患者さんの血液から採取した免疫細胞を増殖・活性化させて体内に戻す免疫細胞療法があります。例を挙げると、Tリンパ球にがん細胞を攻撃させる司令塔である樹状細胞を用いた「樹状細胞ワクチン療法」、がん細胞などの異物を発見次第攻撃する免疫細胞を強化した「NK(ナチュラルキラー)細胞療法」や「ガンマ・デルタT細胞療法」などさまざまです。

遺伝子治療

がんの遺伝子治療は、人間が本来持っているがん抑制遺伝子を投与することでがん細胞の遺伝子に作用し、アポトーシス(自然死)を促す治療法です。

正常な細胞にダメージを与えることなく、前身のがん細胞にのみ効果を発揮するという新しいがん治療法とされています。

早期がんの場合は遺伝子治療のみで根治させることが可能という見方もあり、進行がんに対しても手術や抗がん剤治療と併用することでがんを縮小させたり、副作用を抑えたりする効果も期待できるようです。
また、放射線治療と併用することで相乗効果が望めるという報告もあります。

治療実績はまだ少ないため保険承認には至っていませんが、新しいがん治療法として広く関心を集めています。

食道がんの転移・再発

がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗って他の臓器に到達し、そこで成長することを転移といいます。したがって、がん細胞を手術ですべて取り除くことができたように見えたとしても、がん細胞がすでに他の臓器に到達している場合があるのです。
また、治療によってがん細胞が見えないくらい小さくなったとしても、再び大きくなってしまうことを再発といいます。

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