樹状細胞ワクチン療法

樹状細胞ワクチン療法は、免疫細胞のひとつである樹状細胞の働きを利用したがんワクチンによる治療です。

身体にとって異物であるがん細胞が持つ目印(がん抗原)を樹状細胞に与えることで、リンパ球が確実にがん細胞を狙い撃ちできるようにするというのが樹状細胞ワクチン療法のメカニズムです。

樹状細胞を強化して投与する「樹状細胞ワクチン療法」

樹状細胞は、体内に侵入してきた異物の情報を攻撃役の免疫細胞であるリンパ球に伝える役割を持っています。普通の状態では樹状細胞の数が少なく、確実にリンパ球にがん抗原を伝えることができるかどうかわかりません。そのため、樹状細胞ワクチン療法では樹状細胞の元になる細胞を患者さんから採取し、体外で培養して増やし、強化した樹状細胞にがん抗原を与えることで、リンパ球が確実にがん細胞を攻撃できるようにします。

樹状細胞ワクチン療法には、以下の3種類があります。

自己がん組織樹状細胞ワクチン療法

手術などで取り出した患者さん本人のがん組織を使用してがん抗原をつくる方法です。本人の組織を使用するため、いわばその患者さんだけのオーダーメイド治療ともいえます。

この治療に用いる患者さん本人のがん組織は、ある程度以上の大きさが必要です。

人工抗原樹状細胞ワクチン療法

がん組織を採取できない患者さんの場合でも、ほぼすべてのがんの目印となる人工抗原(WT1ペプチドなど)を使用することで、樹状細胞ワクチン療法を受けることができます。

ただし、白血球の型(HLA)が適合することが条件です。HLAは血液検査で調べることができます。

局所樹状細胞ワクチン療法

上記2種類の樹状細胞ワクチン療法とは違って抗原を使用せず、体外で培養した樹状細胞をがん組織に直接注入する方法です。樹状細胞ががん細胞を取り込むことで抗原を手に入れ、がんの目印をリンパ球に伝えます。

樹状細胞を直接注射するため、目視や触れることが可能な頭頚部がんや乳がん、悪性リンパ腫や、内視鏡で直接注射することができる食道がんや胃がんなどが適応になります。

どのようながんに向いているのか

樹状細胞ワクチン療法は、基本的にどんながんにも適応があるとされます。

ただし、局所樹状細胞ワクチン療法の場合は、前述の通り投与方法が直接注射であるため対象が限られます

樹状細胞ワクチン療法の流れ

樹状細胞ワクチン療法を受けるにあたっては、これまでの経過や現状を十分に検討した上で治療が選択されることになります。この治療は国内では未承認の治療であるため、それを理解した上で治療に同意することが必要です。

まずは樹状細胞ワクチン療法を受けられるかどうか、血液検査や画像検査などをもとに判断します。検査結果に問題がなければ、樹状細胞の元となる白血球の一部である「単球」という細胞を大量に取り出すために、成分採血(アフェレーシス)を行ないます。血液中の単球を含む必要な成分だけを取り出し、それ以外は再び体内に戻します。

取り出された単球は、クリーンルームで培養され、樹状細胞に育てられます。そして人工抗原やがん組織を与えることでがんの目印を認識し、成熟した樹状細胞となっていきます。そうして完成した樹状細胞ワクチンを患者さんに投与します。

樹状細胞ワクチン療法の治療期間や費用

樹状細胞ワクチン療法にあたっては、検査からワクチン作成までに約1カ月かかります。実際のワクチン投与は2週間に1回のペースで5回~7回が1クールとなるため、治療期間としては約3~4カ月を要します。

費用は1クールで約150万円~300万円に設定されている医療機関が大半ですが、付随する検査などに費用を要する場合もあり、医療機関に確認することが必要です。

樹状細胞ワクチン療法のデメリットやリスク

樹状細胞ワクチン療法の副作用はワクチンの種類によって異なりますが、基本的に重篤な副作用は報告されていません。一過性の発熱や注射部位の発赤などがみられることがありますが、ほとんどが軽度の症状で落ち着いています。

樹状細胞ワクチン療法は先進医療で保険適用外となるため、治療費が高額になりやすいのはデメリットといえるでしょう。また、他の免疫療法と同様に理論上は優れた治療法ですが、十分な有効性が確立できるほど治療データの蓄積があるとはいえないのが現状です。

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