がん治療の新しい可能性
光免疫療法ガイドサイト
「光をあててがんを治す」——
そんな夢のような治療法が今、世界中から注目を集めています。
その治療法とは「光免疫療法」。人間の身体に害のない近赤外光線や低反応レベルレーザーを照射してがん細胞を消滅させるという、これまでにはなかったまったく新しい治療法です。
「光をあててがんを治す」——
そんな夢のような治療法が今、世界中から注目を集めています。
その治療法とは「光免疫療法」。人間の身体に害のない近赤外光線や低反応レベルレーザーを照射してがん細胞を消滅させるという、これまでにはなかったまったく新しい治療法です。
Treatment
光免疫療法と呼ばれるこの治療法は、米国立がん研究所(NCI)の日本人研究者、小林久隆先生が確立。
オバマ元大統領のスピーチにも盛り込まれたことで有名になりました。
現在はがん患者さんを対象とした臨床試験も順調に進んでおり、日本での実用化が目指されているということです。
光感作物質を点滴
がん細胞のみ
に集積
特定の波長光を照射
がん細胞のみ破壊
がん抗原が流出
光免疫療法は、がん細胞にだけ選択的に結合する作用を持った抗体を利用します。
その抗体に、近赤外線や低反応レベルレーザーによって化学反応を起こす特殊な物質を閉じ込め、静脈注射や点滴で体内に投与。すると抗体はがん細胞に届いて結合し、そこに照射することで化学反応を起こし、がん細胞だけが破壊されるというメカニズムです。
光エネルギーで化学反応を起こすと、がん細胞の膜にあるタンパク質は変性し、細胞膜の機能が損なわれます。その結果、がん細胞は約1~2分という短時間で破壊されることになるのです。
その様子を顕微鏡で見ると、光があたったがん細胞がまるで風船が割れるように破裂していくといいます。
Clinic
2021年5月現在、日本で光免疫療法を行っているのは、
大阪府大阪市の「田中クリニック」など限られたクリニックのみです。
まだまだ数は少ないものの2021年3月から新たに光免疫療法を導入したクリニックもあるほか、
国立がんセンター東病院で近赤外線免疫療法の臨床試験を開始しているなど、今後も光免疫療法を受け入れるクリニックが増えてくるかもしれません。
これらのクリニックで行われる治療は保険適用外の自由診療のため、治療費は全額自己負担となります。
がんのステージや症状により、治療費用や治療期間、治療クール数は異なります。詳しくは医師へご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なります。
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保険診療のがん治療では限界を迎えている患者さんが少しでも希望をもって治療を行えるように、多数の医療機関と連携して他の治療や補完療法を積極的に取り入れています。他の治療には他のクリニックとの連携による光免疫療法をはじめ、高濃度ビタミンC点滴療法やがん遺伝子治療などがあり。さまざまな治療を通してがん治療難民となっている患者さんに新しい選択肢を提示することで、患者さんのQOLの向上サポートを目指しているクリニックです。
がんに悩む患者さんやそのご家族が気軽に相談できるホームドクターを目指して、総合的な診断・治療を大切にしながら情報提供やコミュニケーションに力を入れている田中善院長。クリニックのHPにがんや免疫療法について相談できる窓口を設置し、患者さんのがん治療に対する不安や疑問に寄り添う体制づくりに努めています。
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がんが免疫から逃れて転移や増殖を繰り返すという「がん免疫サイクル」を、すべてのがん治療において重要視するスタイルのよろずクリニック。身体の免疫に悪影響を与えずにがん抗体を放出して免疫効果を活性化させることを追求する統合腫瘍治療を目指し、ICGリポソームを用いた光免疫療法をはじめがん遺伝子治療などにも対応します。海外で積極的に用いられている抗腫瘍ハーブも導入しており、身体への負担も副作用も少ない代替医療として注目を集めています。
お父様からクリニックを継承した萬憲彰院長は、地域住民に開業医としてどのように貢献するかを考え続けてきました。その結果、日本人の死因のトップであるがん(2019年時点)、そして生活習慣病をトータルで診療するために消化器内科医の道を選んだのです。総合病院勤務医時代と同じレベルの治療ができるように設備を整え、そして自分の家族に接するように患者さんと向き合う萬院長。その温かい雰囲気は初診の患者さんにも「初めての気がしない」と評判です。
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標準治療に続く第四の手段として、光免疫療法もその選択肢のひとつです。ルネスクリニック日本橋は、エビデンスに基づいた効果が見込めるがん医療を提案しています。すでにがんが進行して標準治療で効果が見込めないという患者さん、または今の治療では心配という患者さんには、現在の治療を中止せずに併用可能な治療を提案することもできます。
現在の予防医療は生活習慣の改善にとどまり、病気にならない身体づくりにはあまり力が注がれていないと考える森田祐二院長。確かに早期発見と負担の少ない治療が現代医療の主眼になっています。現実的には仕事や家事、育児に忙しい人に生活改善はなかなか難しいので、森田院長は補助的な治療でそれに対応。サプリメントや点滴、ホルモン補充療法などを導入しながら、基本となる治療の一歩先の医療を目指します。今後はさらに光線療法や再生医療などを取り入れて積極的な介入を行ないたいと願っています。
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「あなたのがんをあきらめない」をモットーにしたがん遺伝子治療やがん予防に取り組んでおり、2021年3月からは新たに光免疫療法を開始。1人ひとりに適した治療を提案しているのはもちろん、患者さんやご家族の心のケアにも力を入れています。医師との橋渡し役となる医療コーディネーターを設け、医師と医療コーディネーターによるWサポート体制で患者さんやご家族の不安に寄り添っているクリニックです。
院長を務める村上医師は、多くの医療機関・大学などで院長や教授など責任のある役職を任されてきた経歴の持ち主です。福岡天神がんクリニックにおいては1人でも多くの方にがんについて知ってもらおうと、電話相談に無料で対応。また、クリニックの公式HPでもがんについての基礎知識や治療法などの情報を発信し、がん治療に対する不安解消に取り組んでいます。
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「患者ひとりひとりのニーズに合わせた治療」を提供している九州厚生会クリニック。各種免疫療法を組み合わせたがん治療を提供している点が特徴。がん治療の中心となるがん免疫治療法は樹状細胞ワクチン療法(人工がん抗原樹状細胞ワクチン療法、NKT細胞標的療法)となっていますが、そのほかにも免疫チェックポイント阻害剤療法や遺伝子療法、LAK療法、NK細胞療法を行っています。治療を行う際には、治療法について医師から詳しく説明し、患者やその家族からの質問に答えてくれます。
世界でも有数の樹状細胞ワクチンにおける実績を持つ同院の院長を務める小角医師は、日本がん治療認定医・日本外科学会認定専門医・日本症に外科学会専門医・指導医の資格を持つ医師。近畿大学医学部付属病院、大阪赤十字病院、近畿大学医学部奈良病院などさまざまな医療機関での経験を積んできました。患者ひとりひとりに合った質の良い治療を届けるためにも、全てのスタッフとともに高品質な樹状細胞を作製して治療できる体制を整えています。
Case
2015年に始まったアメリカ国立衛生研究所での治験では、光免疫療法に目覚ましい結果が出ました。
学会の報告によると、光免疫療法を1回だけ実施した8名のうち、7名のがんが縮小し、そのうち3名はがんが消失したというのです。
この大きな成果は、日本はもちろん、世界にも波及し始めています。
光免疫療法に関する独占的ライセンスのもとに研究開発を進める楽天メディカル社は、従来のアメリカ、日本、ドイツに加えてヨーロッパの地域統括拠点となるアムステルダムオフィス、台湾オフィスを新たに新設しました。
これにより、国際共同治験の確実な遂行と、一日も早い承認が目指されることになります。光免疫療法が世界中のがん患者さんに届く日も、そう遠くないかもしれません。
Difference
一般的に「光免疫療法」は、米国立がん研究所の主任研究員である小林久隆先生が提唱し、
楽天メディカル社が研究開発にあたっている「近赤外線免疫療法」と、
ドイツや日本の大学での研究を基に確立された「光免疫療法」の総称として使用されています。
「光免疫療法」 | 項目 | 「近赤外線免疫療法」 |
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リポソーム | 薬品 | IR700 |
低反応レベルレーザー光線(LLLT) | 機器 | 近赤外線 |
身体への負担が少ない | メリット | がんへの効果が高い |
治療効果が緩やか | デメリット | 体への負担が大きい |
日本国内で実用化されている(自由診療) | 実用化 | 国立がんセンターでの臨床実験中 |
光免疫療法と近赤外線免疫療法はどちらも一長一短。患者さんの体調やがんの状態に合わせて選択をしていく必要があります。ただし、現在日本で実用化されているのは光免疫療法のみ(2020年3月時点)。近赤外線免疫療法は、まだ一般のクリニックや病院では受けられません。できる限り早く、この先端医療による治療を受けたい場合は、光免疫療法を選択することとなります。
参照元:セレンクリニック名古屋公式:http://nagoya.serenclinic.or.jp/dc/peptide.html
Articles
光免疫療法の現状がどうなっているのかお話していきたいと思います。
まずは国内で行なわれている光免疫療法について、詳しい手法や期待できる効果、従来のがん治療との違いなどを、
現場で導入されているドイツの治療技術にも触れながらお伝えします。
さらに、実用化に向けた流れの現状や臨床試験の状況や、どうしても気になる治療の費用、
そして日本で受けることができる光免疫療法の特長についても探っていきます。
近赤外線や低反応レベルレーザー光線を利用してがん細胞を死滅させるという、新しいがん治療である光免疫療法。その手法や効果、考えられる副作用、そして三大療法との違いや併用の重要性などを解説します。
光免疫療法の研究開発は現在も米国を中心に進められていますが、日本においても臨床試験が国立がんセンター東病院(千葉県柏市)で始まりました。メディアでも情報が流れるようになったため全国から大反響を呼び、日本国内での1日も早い実用化、治療開始を望む声が高まっています。
がん治療を根本から変える可能性を秘めた光免疫療法。がん患者さんにとっては朗報ですが、どうしても気になるのは治療費のこと。はたしていくらかかるのか、そして保険は適用になるのか、ここでは光免疫療法の費用面についてお話しします。
楽天メディカル社の強力なバックアップで一躍有名となった光免疫療法。米国立保健研究所の小林久隆先生が関わるこの治療法は別名「近赤外線免疫療法」と呼ばれ、現在日本国内で受けることができる光免疫療法とは異なります。そこにはどのような違いがあるのでしょうか。
2020年6月29日に、楽天メディカルより近赤外線免疫療法の医薬品「ASP-1929」が厚生労働省の条件付き早期承認制度の対象に認定されたと発表。ほかの治療が難しい再発頭頚部がんの新たな治療法として多くの期待と注目を集めていましたが、2020年9月29日に近赤外線免疫療法の医薬品「アキャルックス」として承認を受けたと発表されました。いよいよ承認を受けたことで、今後ますます近赤外線免疫療法の開発動向が期待されます。
2020年4月16日に島津製作所と国立がん研究センターが近赤外線免疫療法に関する計測技術の臨床応用に向けた共同研究を実施すると発表。日本を代表する産業機器の開発会社として知られる島津製作所の技術力と豊富な臨床経験を持つ国立がん研究センターのノウハウが融合することで、光免疫療法の早期実現と普及はもちろん、がんの可視化による医療技術の向上が期待されています。
Efficacy
世界中が注目する中、承認に向けて研究開発が進む光免疫療法。
それに先駆けて、現在国内では2つの光免疫療法を一般でも受けることができます。
それはリポソームの技術が活かされた「光免疫療法ICGリポソーム」と「光免疫療法ハイブリットリポソーム」。その手法と効果を説明します。
1日も早い日本での承認が望まれている光免疫療法ですが、2021年現在において国内で受けることができる光免疫療法は2つのみです。そのひとつである「光免疫療法ICGリポソーム」はどのような手法なのか、その先進的なメカニズムを紹介します。
国内で受けることができるもうひとつの光免疫療法「ハイブリットリポソーム」。「光免疫療法ICGリポソーム」とは違うリポソームの作用、がん細胞だけを狙い撃ちしてその自然死を促すというハイブリットリポソームの効果を説明します。
Articles
光免疫療法は幅広いがんに対して有効だと考えられています。では、がんの進行具合によって光免疫療法の効果は変わるのでしょうか。
ステージごとに期待される光免疫療法の効果について、がんの状態や治療と併せてみていきましょう。
幸いにも早期に発見ができたがんには、手術が可能であればまず手術を、次いで抗がん剤治療や放射線治療が勧められると思います。しかし、それらの標準治療には身体的負担や副作用がつきものです。
初期段階の治療が終わり、それがうまくいっていたとしても、再発や転移といった可能性とはしばらく向き合っていかなければなりません。そして、どうしてもある一定の割合で再発は起きてしまいます。
懸命にがん治療を続けたのにも関わらず、残念ながら再発・転移を起こし進行してしまう場合もあります。もちろん、病院を受診することなく気づいたときには進行がんだったというケースもあるでしょう。
肺に発生する悪性腫瘍が肺がんです。喫煙が主な原因と考えられており、肺がんの中でも特に扁平上皮がんや小細胞肺がんは喫煙が深く関与しています。自覚症状が乏しいまま進行することも多く、加えて他のがんよりも転移しやすいため、治療が困難ながんのひとつに挙げられています。
胃粘膜の細胞ががん化することで発症するのが胃がんです。その原因となる炎症を引き起こすものとして喫煙や食生活、ピロリ菌の感染などが考えられています。医療技術の進歩によって早期発見・早期治療が可能になってきたとはいえ、肺がん、大腸がんに次いで死亡数の多いがんでもあります。
大腸の粘膜に発生する悪性腫瘍が大腸がんです。その発生には食生活の欧米化も大きく関与していると考えられており、患者数は年々増加していることから日本人にとっては身近ながんのひとつとなっています。ある程度進行すると血便や腹痛などが現れますが、初期はほとんど無症状で発見が遅れがちです。
食道の粘膜に発生する悪性腫瘍が食道がんです。がん細胞の種類によって、飲酒や喫煙がリスクになるといわれる「扁平上皮がん」、逆流性食道炎がリスクになるといわれる「腺がん」に分けられます。早期発見が難しく、自覚症状が出てから初めて見つかるケースも多いようです。
頭頸部がんにはさまざまな種類があり、口の中やのど、鼻のほか「そんなところにがんが?」というケースもあります。原因や治療法、予後もがんができる部位によって変わる頭頸部がん。人間として重要な機能が集中する頭頸部だけあって、日常生活に大きく影響する症状が出てきます。
発生する脳の部位や腫瘍の特性から130種類以上にも分類される脳腫瘍。良性腫瘍から悪性度の高いやっかいな腫瘍までさまざまです。また、他の臓器のがんが脳に転移する転移性脳腫瘍もあります。脳という最重要な器官に発生する脳腫瘍は、当然ながら重篤な症状を引き起こします。
悪性リンパ腫は遺伝子変異やがん遺伝子の活性化などが関与すると考えられていますが、未だ正確な原因が明らかになってはいないがんです。リンパ節の多い部位にしこりが発生し、それが大きくなって全身に広がっていく怖い病気で、その進行の程度によって治療法や予後が大きく変わってきます。
日本国内では患者の少ないがんであるとされている肉腫。私たちが通常考える「癌」とは一線を画し、骨や軟部組織、神経、血管などに発生します。肉腫の組織型は50種類以上に及ぶ反面、患者さんの数が非常に少ないこともあって明らかになっていない部分も多いがんです。
乳腺に発生する悪性腫瘍が乳がんです。30代から発症率が徐々に高くなり、50代に差しかかる頃から60代前半にかけて多くなりますが、20代という若い世代に発症する若年性乳がんもみられます。きちんと検診を受けていなければ早期発見は難しく、進行してから見つかるケースも多くあります。
慢性的な肝臓の炎症が長く続き、細胞ががん化することで発生する肝臓がん。ウイルスやアルコール、脂肪肝など原因はさまざまです。検査技術の進歩によって早期発見がしやすくなったとはいえ、再発する可能性が高いがんでもあり、治療は長期間にわたるケースがほとんどです。
膀胱がんは表在性のがんと浸潤性のがんなどに分けられ、いずれにしても血尿によって発見されることが多いがんです。浸潤性の場合は周囲のリンパ節や隣接臓器を含む膀胱全摘出術を行なうことも多く、新たな尿の出口をつくる必要があるなど生活スタイルの変更を余儀なくされます。
胆道がんは日本で増加傾向にあるがんで、胆汁の通り道に発生する胆管がん、胆汁をためておく胆のうに発生する胆のうがん、胆汁が十二指腸に入り込む部分に発生する乳頭部がんの3つに分けられます。胆管がんの場合は胆汁が血液中に逆流することで黄疸が出るのが特徴です。
代表的な血液のがん、白血病。血液をつくるという大切な機能を持つ造血幹細胞が異常をきたし、細胞ががん化する怖い病気として広く知られています。骨髄移植という治療法でも有名な病気かもしれません。異常細胞が骨髄にとどまらず血液中にあふれ出してくるという、がんの中でも臓器などに発生する固形がんとは一線を画した病態といえるでしょう。
女性特有のがんである子宮がんは、大きく子宮体がんと子宮頸がんの2つに分けられます。子宮体がんは子宮内膜に、子宮頸がんは子宮の入り口に発生します。これらは近い部位でありながら原因も治療法も異なり、再発や転移のメカニズムも変わってくるので混同して対処することはできません。いずれにしても女性にとっては乳がんと同様に心配ながんの1つです。
主に膵管に発生する膵臓がんは、難治性のがんの代表といえます。膵臓自体が腹部の奥側に位置し、他の臓器や血管に囲まれているため、発見しにくいうえに転移しやすいという厄介ながんです。初期では自覚症状がほとんどないのも特徴で、膵臓がんにかかっているとわからないまま、気づいたときには進行してしまっているということも珍しくありません。
前立腺に発生する、男性特有の悪性腫瘍が前立腺がんです。高齢者に多いがんで、日本でも高齢化ともなって患者数は増加傾向にあるようです。家族歴によっては若年でも発症することがあり、特に家族に前立腺がんを患っている人がいる場合はリスクが高まります。前立腺肥大症と症状が似ているため、注意が必要です。
皮膚がんの種類は非常に多く、さまざまな組織の集合体である皮膚のどこにどんな悪性腫瘍が発生するかで対処法も大きく変わってきます。皮膚がんの中でも悪性度が高いのが悪性黒色腫(メラノーマ)です。初期のうちは単なるほくろやしみのように見えるので、「ほくろのがん」として比較的よく知られている皮膚がんのひとつです。
卵巣は卵子を蓄えている女性特有の臓器で、その表面に発生する悪性腫瘍が卵巣がんです。卵巣は腫瘍が発生しやすい臓器で、卵巣がんの種類にもさまざまなタイプがあります。お腹の奥のほうにあるので腫瘍ができたとしてもはっきりした自覚症状に乏しく、進行して卵巣が肥大するようになるまで気づかない場合も珍しくありません。
甲状腺はホルモンを分泌する臓器としては人体の中でも大きいほうで、そこにできる悪性腫瘍が甲状腺がんです。多くの場合は適切な治療を受けることで根治し、生命にかかわることは少ないとされています。しかし、まれに悪性度の高い甲状腺がんもあり、そうなると転移や再発を繰り返すため治療も難しくなる場合があります。
たとえば胃がんが進行して胃壁を突き破り、腹部の臓器と腹壁の内側を覆っている腹膜にがん細胞がばら撒かれたように転移している状態が腹膜播種です。リンパ節転移や肝転移と並んで胃がんの転移としては頻度が高く、手術などの治療で取り除くことは困難です。現在のがん治療をもってしても予後が非常に厳しい状態だとされています。
Interview
では実際に光免疫療法の治療を受けた方はどのように感じているのか。
現在光免疫療法を続けている加奈子さんへお話をお伺いしました。
乳がんになり、抗がん剤治療ではなくホルモン治療を受けていた加奈子さん。治療後1年2カ月で再発して、そのときにはすでにステージⅣになっていました。治療法を調べた結果、光免疫療法にたどりついたそうです。その治療への想いや、現在の心境をお伺いしました。
Therapies
一般的に、がん患者さんに対して最初に示される治療法は「手術療法」「放射線治療」「交換剤治療(化学療法)」の3種類。
これを「がんの三大療法」または「標準治療」と呼ばれています。
ここでは三大治療の内容や、光免疫療法との関係についてお話しします。
がん手術では、病巣の周辺組織やリンパ節に転移があれば可能な限り一緒に切除しますが、目に見えないがん細胞が転移している可能性のある周囲の正常組織も含めて切除することが一般的です。現在では、早期のがんやある程度進行しているがんでも切除が可能であれば、積極的に手術療法が選択されます。
放射線治療は、がんの病巣に放射線を照射してがん細胞内の遺伝子(DNA)にダメージを与え、がん細胞を死滅させる治療法です。治療前の検査や照射方法の進歩によって、がんの大きさや位置を正確に把握し、その部分だけに集中的に照射することが可能となったため、現在では治療の効果が格段に向上しています。
抗がん剤治療とは、その名の通り抗がん剤によってがん細胞を死滅させたり、増殖を抑えたりする治療方法です。化学療法、薬物療法とも呼ばれ、近年は著しい進歩を遂げてきました。具体的にいうと、抗がん剤治療は進行がんの患者さんの延命期間を延ばすことに成功しただけではなく、がんの種類によっては根治することもできるようになったのです。
Relationship
がんの免疫療法とは、患者さんの体内の免疫細胞を使ったがん治療の総称です。
患者さん自身の細胞でがんを攻撃するため、副作用が少ないのが特長です。
免疫細胞の力でがんを退治しようとする免疫療法は「第4のがん治療法」と呼ばれ、新たながん治療の手段として期待が寄せられています。
Therapies
国内外で大きな期待が寄せられる新しいがん治療法・光免疫療法。
現在も研究開発が進められているところですが、保険承認に先駆けて光免疫療法を受けられる医療機関が国内には存在します。
その医療機関をエリアごとに紹介しましょう。
東京は47都道府県の中でも医療機関の数が多く、当然ながらさまざまな癌治療のニーズも相応に多くなっていると考えるべきでしょう。ここでは、都内・日本橋で光免疫療法を導入している「ルネスクリニック日本橋」を中心に紹介します。
大阪はコンパクトなエリアに人口が集中しており、他県からも高度な癌治療を求めて患者さんが集まるので独自の強みを持った医療機関も数多く存在します。ここでは、大阪市で光免疫療法を導入している「田中クリニック」を中心に紹介します。
医療の拠点となる都市が多方面に分散しているのが東海地区の特徴。愛知においても一定の水準以上の癌治療が各都市で受けられます。ここでは、東海地区で初めて光免疫療法を導入した名古屋市の「セレンクリニック名古屋」を中心に紹介します。
鳥取は「がん対策推進条例」が功を奏し、癌治療を専門領域とする医師や認定看護師なども増加、設備が充実している医療機関も多くなっています。ここでは、鳥取市で光免疫療法を導入している「よろずクリニック」を中心に紹介します。
九州でも高い医療水準を誇る福岡エリアでは、検査・診断、治療、予防など幅広い領域で高度な癌治療を行なう医療機関が数多くあります。ここでは福岡市で光免疫療法をはじめ先端的な癌治療を導入している「福岡天神がんクリニック」を中心に紹介します。